

腹筋を鍛えたいけど、どんなトレーニングをすれば良いんだろう?
どうせ鍛えるなら効果の高いトレーニングをしたいな、、、
「腹筋を鍛えたいけど、どんなトレーニングをすれば良いかわからない。」
「ひたすらクランチをやってきたけど、なかなか腹筋に効果が現れない。」
という方には、アブローラー(腹筋ローラー)がオススメです。
今回は、アブローラーが、他の腹筋トレーニングと比較しても、かなり効果の高いトレーニングである。という事を筋電図検査を用いたいくつかの研究と共に見ていきたいと思います。
アブローラーとは?
アブローラーとは、いわゆる「腹筋ローラー」と呼ばれている筋トレグッズの事を言います。
筋トレグッズとしては価格も安く、とてもコンパクトです。
単純な器具ですが、腹筋に強い負荷をかけて効率よく鍛える事ができます。
個人的には、腹筋を鍛える器具の中では最強だと思っています。
筋電図検査とは?
皮膚にセンサーを取り付け、筋肉を動かした際に発生する活動電位を読み取る事で、筋肉がどの程度活動しているかを知る事ができます。
筋電図検査を用いた様々な腹筋トレーニングを比較した研究
それでは、アブローラーや、他の腹筋トレーニングを筋電図検査を用いて比較した研究を見ていきましょう。
研究1
一つ目の研究では、23歳から41歳の男女を対象に、12種類の腹筋トレーニングを比較した研究です。
結果は、ニーアップ、30度傾斜をつけたリバースクランチと共に、アブローラーを使用したトレーニングは腹直筋(上部・下部)、内腹斜筋、外腹斜筋を鍛えるための最も効果的なトレーニングの一つであるとしています。
研究1の引用記事:https://academic.oup.com/ptj/article/86/5/656/2857416
資料1の筋電図データ(引用元の記事より一部抜粋)
トレーニング | 腹直筋(上部) | 腹直筋(下部) | 外腹斜筋 | 内腹斜筋 |
アブローラー 膝付き(ひざコロ) | 76±26 | 81±29 | 64±27 | 66±25 |
アブローラー パイク | 41±11 | 53±16 | 96±32 | 83±31 |
アブローラー ニーアップ | 41±18 | 45±12 | 80±30 | 72±32 |
ニーアップ | 69±21 | 75±16 | 79±25 | 85±40 |
リバースクランチ 傾斜30度 | 77±27 | 53±13 | 50±19 | 86±37 |
リバースクランチ フラット | 41±20 | 30±13 | 39±16 | 52±24 |
クランチ | 56±17 | 48±13 | 27±16 | 42±10 |
アブローラーパイクとは?
アブローラーを足に装着し、両手を地面につき膝を伸ばした状態で手とアブローラー の距離を近ずけます。
アブローラー ニーアップとは?
アブローラーを足に装着し、両手を地面に付き、膝の曲げ伸ばしで腹筋を屈曲、伸展させます。
この研究では、腹直筋上部の数値は、傾斜30度のリバースクランチの次に、ひざ付きのアブローラーの数値が高いという結果でした。
しかし、腹直筋下部に対しては、他12種類の種目の中で、ひざ付きアブローラーの数値が一番高い数値を記録しています。
また、アブローラー パイクとアブローラーニーアップはひざ付きでアブローラーを行うよりも、内外腹斜筋の数値が高くなっています。
一般的には、腹直筋を鍛える種目と思われがちなアブローラーですが、内外腹斜筋に対しても、筋電図の数値は高いので、腹筋全体を鍛える種目としてはかなり優秀かもしれません。
研究2
2つ目の研究では、筋電図検査(EMG)を用いて、腹直筋(下部)、内腹斜筋、外腹斜筋の筋肉の活動をトレーニング別に比較しています。
引用元の記事:https://www.t-nation.com/training/inside-the-muscles-best-ab-exercises
比較してあるトレーニングの数がとても多いので、アブローラーと、代表的な腹筋トレーニングの筋電図の結果を一部抜粋しました。
腹筋トレーニングの筋活動比較
上の数値が平均値、下の数字がピーク時の数値となっています。
トレーニング種目 | 腹直筋下部 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 |
フロントプランク | 22.4 33.5 | 31.2 42.6 | 21.7 26.7 |
サイドプランク | 33.1 44.8 | 52.4 77.6 | 57.6 73.8 |
サイドベント(約45Kg) | 35.1 80.1 | 15.6 33.2 | 69.9 108 |
クランチ(約45Kg加重) | 55.3 83.2 | 28.8 45.2 | 40.7 80.5 |
アブローラー 膝付き(ひざコロ) | 103 145 | 112 184 | 63.4 97.2 |
アブローラー つま先付き(立ちコロ) | 103 191 | 114 220 | 90 130 |
引用:https://www.t-nation.com/training/inside-the-muscles-best-ab-exercises
この研究でも、先ほどの研究1と同様に、アブローラーは優秀な数値を記録しているのがわかります。
また、この研究では、アブローラーを使ったトレーニングは、腹直筋下部、内腹斜筋、外腹斜筋の活動が大きいトレーニングトップ3に入っています。
アブローラーの他にも、かなり筋電図の数値が高い種目もあるので、興味のある方は、是非引用元の記事をご覧になって見てください。
最近流行りのプランクは腹筋を鍛えられない??
少しアブローラーから話が逸れますが、最近流行りの体幹(腹筋)トレーニングといえば「プランク」ですね。
ですが、プランクを腹筋を鍛えるために、行うのは非効率的といえます。
上記の研究でプランク、サイドプランクの筋電図の数値が記載されていましたが、結果はアブローラーの約1/5程度。
プランクでは腹筋が全然活動していないというのがわかります。
負荷も弱く、伸展・収縮といった動きのないプランクは、腹筋を割るためのトレーニングとしてメニューに組み込む必要は、個人的には無いと思います。
余談ですが、以前「プランクは腹筋を鍛える為ではなく、体の固め方を獲得するための種目」という事を耳にした事があります。
コンタクト系のスポーツなどでは、その特異性からプランクは重要なトレーニングとして位置付けられているのかもしれません。
どちらにせよ、腹筋を鍛える為なら、プランク以外の種目(筋肉を収縮させる、負荷がかけられる)を選択した方が効率は断然いいと思います。
という事で、アブローラーは腹筋を鍛えるための種目としては、かなり優秀であるという事がわかりました。
腹筋を鍛えたいという方は是非アブローラーでトレーニングを行ってみてください。
ではでは