

太りにくい体になる為には、どんな運動をすればいいんだろう、、、
太りにく体質になりたいなぁ
こんにちは。
小平です。
今回の記事は、こんな悩みを解決していく内容です。
ダイエットを頑張りたい。
太りにくい体質になりたい。
と言う方には、参考になると思います。
結論から言うと、「太りにくい体質になる為には、除脂肪組織(骨格筋量)を増やし、基礎代謝を上げる」必要があります。
- 太りにくい体質とは?
- 基礎代謝と除脂肪組織の量の関係
- 除脂肪組織の増やし方
- ダイエット中に除脂肪組織を増やすことはできるか?
と言う事について書いていきたいと思います。
太りにくい体質とは?
まず、太りにくい体質とは?についてですが、
同じ食事量(摂取カロリー)、同じ運動量(生活活動代謝)で1日を過ごした時に、カロリー収支がマイナスになり、体脂肪が体に着きにくい状態
を、太りにくい体質と言います。
人間の体は基本的に、カロリー収支がプラスになると、体に体脂肪がつき、マイナスになると体脂肪は減ります。
- カロリー収支=(摂取カロリー)−(消費カロリー)
摂取カロリーはその名の通り、食べ物から得られるカロリーのことです。
消費カロリー主に、基礎代謝、生活活動代謝(運動によるもの)、食事誘発性熱生産の3つがあります。
<3つの消費カロリーの内訳>
・基礎代謝(約60〜70%)
・生活活動代謝(約20〜30%)
・食事誘発性熱生産(約10%)
食事量(摂取カロリー)と運動量(生活活動代謝)を変えずに、カロリー収支をマイナスにする為には、消費カロリーの中でも大部分を占める基礎代謝を上げる事が必要となり、基礎代謝が上がれば太りにくい体質になる事ができます。
- 太りにくい体質とは、同じ食事量、運動量でもカロリー収支がマイナスになる状態
- 食事量・運動量を変えずにカロリー収支をマイナスにする為には基礎代謝を上げる必要がある。
基礎代謝は除脂肪組織の量で決まる

太りにくい体質になる為には基礎代謝を上げればいいんだ!
でも基礎代謝ってどうやって上げればいいんだろう?
基礎代謝の数値を左右するのは「除脂肪組織の量」です。
参考にした、女子大学生81名を対象に、身体組成と身体活動が安静時代謝に及ぼす影響を調べた研究によると、基礎代謝は除脂肪組織の量にかなり影響されるとしています。
除脂肪組織の量が多い→基礎代謝が高い
除脂肪組織の量が低い→基礎代謝が低い
除脂肪組織とは?
体脂肪以外の筋肉や骨、内臓、血管などの組織の事。
除脂肪組織の量を「除脂肪体重」と言います。
除脂肪体重計算方法:体重−(体重×体脂肪率)=除脂肪体重
また、基礎代謝の計算式でも、除脂肪組織と基礎代謝の関連が強い事がわかります。
国立スポーツ科学センターの基礎代謝の計算式では、除脂肪体重1Kg×28.5Kcalで基礎代謝を計算します。
国立スポーツ科学センターの基礎代謝計算式
除脂肪体重Kg×28.5Kcal=基礎代謝Kcal
以上のことから、
「基礎代謝の数値を左右するのは除脂肪組織の量で、基礎代謝を上げる為には、除脂肪組織の量を増やす事が必要である」
という事がわかりますね。
除脂肪組織が増えると基礎代謝はどのくらい上がるの?
除脂肪組織を増やすと基礎代謝はどのくらい上がるのでしょうか?
まず、徐脂肪組織の中でも多くをしめる、「筋肉」の基礎代謝はどのくらいなのか?と言うことから見ていきましょう。
下記の表は、体重70Kg、体脂肪率20%、安静時代謝1700Kcalの方の除脂肪組織を部位別に見たときの安静時代謝の内訳です。
組織 | 重量(Kg) | エネルギー代謝量 1日あたり(Kcal) | エネルギー代謝量 1Kgあたり(Kcal) | 全体のエネルギー代謝の比率 |
筋肉(骨格筋) | 28 | 370 | 13 | 22% |
肝臓 | 1.8 | 360 | 200 | 21% |
脳 | 1.4 | 340 | 240 | 20% |
心臓 | 0.3 | 440 | 145 | 9% |
腎臓 | 0.3 | 440 | 137 | 8% |
脂肪組織 | 15 | 70 | 4.5 | 4% |
その他 | 23.2 | 277 | 12 | 16% |
厚生労働省e-ヘルスネット「ヒトの臓器・組織における安静時代謝量」より引用
安静時代謝とは、快適な室温の部屋で座った状態で消費されるエネルギー量の事。基礎代謝の1.1~1.2倍の数値
上記の表では、筋肉1Kgの安静時代謝は13Kcalとなっています。
この表だけをみると

筋トレを必死に頑張って筋肉が1Kg増えても、たった13Kcalしか消費されないなら意味ないじゃん!!!
と思う方もいらっしゃると思います。
ですがこれはあくまで安静時の話です。
一日じっと動かずに過ごしていれば、筋肉は1日で1Kgあたり13Kcalしか消費しませんが、そんな人は病気でない限りいないはずです。
基本的に筋肉は動かす事によってカロリーを消費します。
それは、仕事や日常生活といった最低限の活動や、トレーニングといった運動時をすれば、筋肉1Kgあたり13Kcal以上は確実に消費すると言う事になります。
除脂肪体重が1Kg増えると基礎代謝は50Kcal増える?
先ほどは筋肉が1Kg増えた場合の基礎代謝の話でした。
では、除脂肪体重が1Kg増えた場合、基礎代謝はどのくらい上がるのでしょうか?
国立健康・栄養研究所によると、除脂肪体重が1Kg増加すると基礎代謝は50Kcal増えると発表しています。
また、先ほどの国立スポーツ科学センターの基礎代謝の計算式では、除脂肪体重1Kgあたり28.5Kcalとしています。
上記の2つのデータをもとに、除脂肪体重が1Kg増えた場合、年間で消費されるカロリーを計算すると、、、
50Kcal×30日=1500Kcal・・・・年間で18,000Kcal(体脂肪2.5Kg分)
28.5Kcal×30日=855Kcal・・・・年間で10,260Kcal(体脂肪1.425Kg分)
となります。
除脂肪体重が1Kg増えれば、基礎代謝だけで、年間1〜2Kgの体脂肪が減らす事ができると言うことになります。
ちなみに、筋肉を1Kg増やせば、筋肉以外の組織も増える事になるので、除脂肪組織は1Kg以上増やす事ができます。
トレーニングによって筋肉はどのくらいの速さでつくのか?と言う疑問は以下の記事に書いてあるので参考までに是非ご覧ください。↓
除脂肪体重を増やす為にはどんな運動をすればいい?答えは筋トレです。
徐脂肪組織を増やす為にはどのような運動が必要なのでしょうか?
まず、除脂肪組織を増やす為には、除脂肪組織の多くを占める筋肉を増やす事が一番効率がいいとされています。
そして、筋肉を増やす為には、筋肥大しやすい「速筋線維」を鍛える事が推奨されています。
速筋線維は負荷の高い、筋トレや瞬発的な運動を行う事で初めて鍛える事ができます。
逆に負荷の弱いウォーキングや、ランニングなどの有酸素運動では遅筋線維を主に使用するので、速筋繊維を鍛えることはできません。
以上の事から、除脂肪組織を増やす為には、遅筋線維を鍛えても筋肥大しにくいので、一番効率のいい、速筋繊維を鍛える筋トレを行いましょう。
ダイエットをしながら筋肉はつけられるの?基礎代謝を上げることはできるの?
この記事を読んでいる方の中には、ダイエットを頑張っている方もいらっしゃると思います。
そんな方の中には

ダイエットしながら筋肉をつけて基礎代謝をあげれば、痩せながら太りにくい体質になって一石二鳥じゃん!!
と思う方もいらっしゃると思います。
ですが、残念ながら、ダイエットをしながら筋肉をつける事は、かなり難しいとされています。
理由は先ほども説明した「カロリー収支」の関係です。
筋肉は、体脂肪と一緒で、カロリー収支がプラスの時に付くようになっています。
ダイエット中はカロリー収支がマイナスなので、基本的に筋肉は付きにくい状態と言う事になります。
では、ダイエット中の筋トレは筋肉もつかないし、基礎代謝も上がらないから無意味なのか?と言ったら違います。
ボディービルダーが減量中も筋トレをする理由は、脂肪だけを落として筋肉は落とさないようにするため
ダイエット中は、体脂肪だけではなく、筋肉(除脂肪組織)も一緒に減少してしまいます。ですが、ダイエット中に筋トレを行う事で、体脂肪の減少はそのままで、除脂肪組織の減少を最小限に止める事ができます。
減量中のボディービルダーの身体組成の経過を見た論文によると、体脂肪は大幅に減少したのに対して、除脂肪体重の減少は少ない事から、減量中の筋トレは除脂肪組織の維持に対して効果がある事が示唆されています。
また、別の論文では、減量中に食事管理プラス
①何もしないグループ
②筋トレをしたグループ
③有酸素運動をしたグループ
に分かれて、体重や除脂肪体重の変化を見た結果、体重の減少はどのグループにも見られたが、除脂肪体重の減少は、食事管理プラス筋トレをした②のグループが一番少なかったと言う結果になりました。
また、余談になりますが、食事管理プラス有酸素運動をしたグループ③は、除脂肪体重の減少が一番大きかった事から、ダイエット中に有酸素運動のみを行うと、除脂肪組織を減らし、基礎代謝を下げる事で太りやすい体質に変化させてしまう可能性も考えられます。
以上の事から、ダイエット中の筋トレは
除脂肪組織の減少を抑える事ができ、基礎代謝も落とさない。
と言う事になるので、ダイエットで運動をするなら筋トレがおすすめです。
まとめ
- 太りにくい体質(基礎代謝のアップ)になるためには除脂肪体重を増やす必要がある。
- 除脂肪体重はレジスタンストレーニング(筋トレ)で増やす事ができる
- 除脂肪体重を1Kg増やせば、基礎代謝は28.5〜50Kcal増える(年間で体脂肪1〜2Kg相当)
- 筋トレで除脂肪組織が増えても基礎代謝は少ししか増えないが、活動時の代謝は増える。
- ダイエット中に除脂肪体重、または筋肉をつけるのは難しい。でもダイエット中の筋トレは筋肉を維持する事には役立つので基礎代謝は落ちにくい
- ダイエットで運動が有酸素運動だけだと筋肉が落ちる可能性がある。
と言う事で記事は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ではでは。
参考にした資料一覧
http://repository.tokaigakuen-u.ac.jp/dspace/bitstream/11334/381/1/kiyo_n019_04.pdf
http://www.yspc-ysmc.jp/ysmc/column/health-fitness/diet-theory-3.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/66/3/66_209/_pdf
https://www.medicalonline.jp/news.php?t=review&m=physiotherapy&date=201711&file=20171108-Obesity-25-1823-P.csv
https://ryotokuji-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=243&item_no=1&page_id=13&block_id=69